CALM.の裏側に迫る。 – 睡眠分析編

CLAM.による睡眠分析の仕組み

CALM.独自の機能をお伝えするために、今回は睡眠についてお話したいと思います。みなさんは、人間が人生のおよそ3分の1の時間を眠りに費やしていることをご存知でしょうか?それだけの時間を費やしているにも関わらず、未だ私たちは睡眠というものに対する意識が低いままではないでしょうか。しっかりと睡眠の質と効果を意識している方は、まだまだ少ないことでしょう。それでも近頃は、睡眠の質に対する取り組みが少しずつ増えて、睡眠の質の改善方法について開発が進められています。最新のウェアラブルデバイスは、かなりの高精度(約95%)で、装着者が「睡眠状態かどうかの検知」をすることはできます。しかしながら、「睡眠のステージの検知」となると、既存のデバイスは身体の動きや体温、心拍に関するデータを参照しているために、指輪型デバイスでは約60%の精度[1]、手首装着型デバイスに至ってはさらに低い精度でしか検知できません[2]。

CALM.は、身体の動きと、心臓からの電気信号に基づき「睡眠状態」と「睡眠のステージ」の分析を行います。既存のデバイスの多くが用いている心拍は、心臓の鼓動と血流に基づき測定されるものですが、CALM.は、心臓から送られてくる電気信号を直接捉えることができます。電気信号を捉えることの利点は、心臓の動きをミリ秒の精度をもって把握できること、さらには、肺からなにかしらの異常データが発せられた場合にも、非常に興味深い(そして有用な!)情報を検出できることです。つまりCALM.は、心臓からの情報を既存のデバイス以上に正確に把握することができ、また肺での異常でさえも検知することができるのです。

心臓からの電気信号を正確に取得できると、心拍、呼吸、そして装着者の興奮状態といった、無意識に行われている身体のコントロール機能、いわゆる自律神経との相関関係を分析できるというメリットがあります。睡眠中の自律神経は、非常に多様な動きをしているため、私たちに多くの有益な情報を与えてくれます。心拍の情報以上に多くの情報を利用して、睡眠の状態と質を分析できることが、CALM.の利点といえるでしょう。

CALM.に搭載する予定である「睡眠のステージ」検知のための指標を作成するにあたっては、臨床データとオープンデータを活用し機械学習を用いて分析を行っています。現状でも検知の精度は約80%に達していますが、今後新たに独自のモデルを開発することで、その精度を90%まで上げる予定です!

心臓からの電気信号を用いた睡眠分析では、睡眠時の「呼吸のスムーズさ」という視点からアプローチしています。例えば、いびきをかいている場合には、呼吸回数は最適なものにはなっておらず、「呼吸がスムーズである」とは言えません。また、どんなに睡眠時の呼吸状態が身体の回復に非常に重要なものであると理解しているとしても、睡眠時の自分がどのような呼吸状態であるかは、誰かが寝ているあなたの隣に居続けて、詳細に記録をつけてもらわない限り知ることはできないのです。CALM.を用いると、心臓からの電気信号をトラックすることで、おおよその呼吸リズムを自動でトラックすることでき、睡眠時の呼吸の質を分析することができるようになります。CALM.は、手首や指に装着するタイプのデバイスでは不可能な、「呼吸の質」も睡眠の質を分析に利用することができるのです。

*高度な分析は行っていますが、CALM.は医療機器ではありません。よって、睡眠障害の診断にはご使用いただけません。睡眠の質について何等か懸念がある場合は、医師に相談し、専門的な検査をお受け下さい。

次回は、心のリラクゼーション、集中力、精神統一、ストレスの度合いを表現する指標、CALMnessスコアについてご紹介致します。

[1] Zambotti et al. (2017), 「指輪型睡眠計測デバイス:睡眠ポリグラフ検査に対抗する睡眠トラッカーŌURAを用いた比較研究」
[2] Mantua et al. (2016),「4つのパーソナルヘルスモニタリングデバイスから、研究で使用される活動量及び睡眠モニタリングデバイスまで、それらの睡眠モニタリング結果の信頼性」
[3] Moody et al. (1985),「マルチリードECGに基づく呼吸信号の検証」