CALM.の裏側に迫る。 – CALMnessスコア編

CALMness Score -「落ち着き度合い」のスコア

今回は、CALM.の独自指標であるCALMnessスコアについてご紹介します。CALMnessスコアは精神状態を表すために弊社が開発した指標であり、交感神経と副交感神経のバランス(自律神経のバランス)を示します。CALMnessスコアが高い値であればあるほど神経系のバランスが取れていることを示し、低い値であればあるほど緊張やストレス状態、もしくは休息がとれていないことを示します。

まず、CALM.は心電位の電気信号を介して正確な心拍を取得します。心拍と自律神経 (ANS)には相関関係があり、その相関関係をCALM.が分析します(詳しくは睡眠分析編)。自律神経のバランスは、「睡眠段階」を分類する際にも使用しておりますが、CALMnessスコアを算出する際にも非常に重要な要素になっています。

自律神経には交感神経と副交感神経の二つが存在します。緊張やストレスを感じている時は心拍数が上がり、瞳孔が開き、アドレナリンを分泌しているため交感神経が活発に作用します。副交感神経(PNS)は休息や消化活動などをコントロールしており、副交感神経は体を休息させなければならない時に作用します。この二つは車のアクセルとブレーキに例えられ、どちらとも重要ですが、二つを同時に稼働させようとすると故障します。

では、どのように自律神経のバランスを測定しているのでしょうか。交感神経と副交感神経どちらが活発に作用しているのかを把握するために、心拍変動分析(HRV)という分析手法を用います。心拍変動とは、心拍間隔の周期的な変動を指します。これは、心臓が1分間に60回拍動していてもそれぞれの心拍は1秒間隔ではないことを指します。1つの心拍間が0.97秒であることもあれば1.02秒であることもあり、次の心拍間は0.99秒ということもありえるのです。この心拍間隔を「R-R間隔」と表します。

多くの心拍数モニターはある一定時間以上の心拍数の移動平均値を用いますが、毎回心拍間(R-R間)は一定ではありません。そのため、正確な心拍変動分析(HRV)には心電位が必要とされるのです。そして心拍変動分析は多くの研究に応用することが可能であり、トレーニング時のリアルタイムモニタとしても活用されています。

自律神経の分析にはフーリエ変換を使い算出したR-R間隔の周波数領域に着目する必要があります。交感神経と副交感神経は特定の周波数領域に対応しているとされており、交感神経・副交感神経のどちらか1つのみが活発に作用している時はCALMnessスコアは高くなり、両者とも活発に作用している時はCALMnessスコアは低くなります。また下のグラフ[1]にあるように、自律神経のコントロールには、瞑想と呼吸は最も適した方法だと言えます。
左:FFTのR-R間隔(通常時
右:FFTのR-R間隔(瞑想時

 

数値スコアは基準値をヨガマスター100、オフィスワーカー60、徹夜明けの4時間のテストを行った学生を20として設定しています。

*高度な分析を行っていますが、CALM.は医療機器ではありません。よって、神経障害の診断にはご使用いただけません。神経系について何等か懸念がある場合は、医師に相談し、専門的な検査をお受け下さい。

次回はCALMnessスコアのリラックス、集中、ストレス時の簡単な測定水準についてご紹介します。

[1]Phongsuphap, Sukanya, Yongyuth Pongsupap, Pakorn Chandanamattha, and Chidchanok Lursinsap. “Changes in Heart Rate Variability during Concentration Meditation.” International Journal of Cardiology 130, no. 3 (November 28, 2008)